「さぁ、起きているなら、どっからでもかかってきなさいよ。……今の私は、加減、出来ないけど」
人を威圧する、空気を醸し出す。
誰もが、音が聞こえるんじゃないかってくらい、震え上がり。
「あ。君にしよー」
と、沙耶は彼らの様子なんか完全に無視で、一人の男に近づいた。
「ねぇ、私と遊ばない?」
この状況。
いくら、沙耶がユイラさん似の美貌を持っていたとしても。
恐怖でしかない。
もし、これが、普通の場なら。
男たちは沙耶に群がっただろう。
沙耶の体を好き放題にし、堪能しただろう。
でも、今や、そんな勇気があるものはいない。
否、沙耶のこんな姿を見てまで、愛せる男は相馬しかいない。


