☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3



「私ね?」


ガッ!


「極道の息子だったお父さんと、暴走族の頭だった兄……そこにいる人ね?と、柔道、空手、剣道……武の道すべての有段者だった兄と、ある有名企業のお嬢様を護衛をしていた叔父がいるの」


ドカッ!


「その人たちにね?教えてもらったのよ?」


ガンッ!


「この護身術も、何もかも。それでね?」


バキッ!


「言われたんだ、結婚するとき」


ドスッ!


「ぐうっ!!」


頬、頭、背中、顎、足に最後は腹。


彼のすべてに沙耶の足はのめり込む。


「『誘拐されて、少しでも身に危険を感じたら、遠慮なく殺れ』ってね?お父さんの教えよ?」


痛みに悶絶……どころか、既に気を失ったか弱き“小動物″のうち、一匹。


涎と血を口から流れ落とす彼に興味を失ったように、他の男達に目を向ける沙耶。