☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3



(まさか……)


瞬間、パン、パン、パン……


……とても、聞き覚えのある音がした。


「沙耶!?」


思わず、声を上げ、影から飛び出してしまう。


やはり、左が使えないのが仇となったか。

昔の沙耶ならば、こんなものは簡単に避けていたはずだから。

駆け寄り、見れば、肩から血を流す沙耶。


「あれ、やっぱ、勇兄ちゃんだったんだ?私の感も、まだまだ、現役?」


打たれたところの傷を見るが、当たってるのは、一発だけ。


「っ……大丈夫、一発だけだよ。気づいてても、避けられなかったや」


痛みに顔を歪めながら、笑う沙耶。
無邪気な、笑顔。


「でも、ここまでするなら、話は別よね……」


けれど、さっきよりもハッキリと目に宿る殺気は、小動物たちを震え上がらせて。


それを見るに耐えられなくなった男が、プイッ、と、彼が顔をそらすと。