☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3



「なんや、かかってこんかい」


木刀を片手に、嬉々として笑う沙耶。


(……やベェな、ネジが吹っ飛んでる)


完全にキレているらしく、口調が関西弁に。


(……健斗さん譲りだよなぁ、こういうとこ)


沙耶が暴れていてくれているせいで、俺が侵入したことには気づかれず。


沙耶の周辺には、男の山が。


(俺も昔、作ったな……)


人の山。
これは、実際にできてみると中々、壮観なものである。


目を凝らせば、奥の方では、柚香らしき女が動いていて。


やっぱり、他にも女は捕らわれていたのだという考えが的中した。


「遅い!」


次から次へと、薙ぎ倒すその姿。


かつて見た、健斗さんと同じ戦い方である。


そんな我が妹の沙耶は、変わらず、美しく。


高い位置で結ばれた黒髪は、沙耶が身を翻す度に宙を舞い、青い炎を吐く口は、赤い果実のようで。


使えない半身を軸に、軽快に、彼女は動く。


木刀は、男達を意図も簡単に薙ぎ倒し、沙耶の大きなパッチリとしたつり目気味の瞳に映るのは、可哀想な“か弱い″小動物。


白い頬を、紅い鮮血が色付ける。


着ていた可愛いワンピースは、男達の“紅″で、染められていく。


沙耶の瞳は、三日月型に歪められ――……


ドスッ……


鈍い音ともに、最後の小動物が気を失った。