授業中
どこか物憂げなリョウくんにぼんやりと見惚れていた。
頬杖をついて軽く傾けた顎から首筋へのラインには、やっぱり以前みたいに赤い印はついてなくて
いつかあの部屋であった彼女さんとはもうすっかり別れてしまったんだろうな、
なんて考える。
あの日の事をちゃんとリョウくんに聞いてみたかったけど、学校の中はさわがしくてなかなか彼とちゃんと話すチャンスはなかった。
結局、キスマークって
どうやってつけるんだろう。
そんな素朴な疑問がまた浮かんだけど
まぁ、どうでもいいや、と思って
ノートの隅に落書きをしていた。