「木暮くん……?」

わたしが確かめるように彼の名前を呼ぶと

「久しぶり、元気だった?」

木暮くんは柔らかく笑って手を上げた。

「うわー、本当に久しぶりだね! 高校卒業して以来だから、3年ぶりかな?」
「上田さん、3年たっても相変わらず小さいね」

なんて言って笑う優しい顔。
木暮くんこそ、あの頃とぜんぜん変わってないよ。

「買い物でもしてたの?」
「あ、エプロン買おうと思ってたの」

わたしがそう言うと、木暮くんが驚いたように目を丸くした。

「エプロンって、上田さん結婚したの!?」

エプロンから主婦を想像したのか勝手に驚く木暮くんに
わたしは思わず苦笑しながら首を振った。

「違う違う。仕事で使うの。
幼稚園で先生やってるんだ」

「へぇ……意外。でも言われてみれば似合うかも、幼稚園の先生。上田さん子供好きそうだもんな」

「えへへ、ありがとう。木暮くんはなにやってるの?」

「俺はまだ大学」

「そっかぁ」