「じゃあ! 名前知ってるあたしにならいいの?」 思わず立ち止まってそう言うと彼は小さく息を吐き呆れたように振り返った。 「ボタンなんて欲しいか?」 変なヤツ。 リョウくんはそんな表情であたしの事を見下ろす。 「ボタンじゃなくて……」 「何が欲しい?」 あたしが初めて好きになった人。 だから、一生の思い出に ハジメテが欲しい……