「リョウ……すき」 上擦った声でそう言うとあたしに覆いかぶさっていたリョウくんが微かに顔を歪めた。 「リョウ……」 お互いの服は溶けた雪の水分を吸い込んでずっしりと重く濡れていた。 雪の上で抱き合うあたしたちの身体は体温を奪われ酷く冷え切っていた。 それでも 合わせた唇だけは燃えるように熱くて なにかを誤魔化すように 必死でキスを繰り返した。 「愛してる……」 消え入りそうな声でそうつぶやいた。 「リョウ、愛してる……」