「あたしは……っ」

あたしの声が少しでも彼の心に届くように上擦った声で必死にしゃべる。

「あたしはっリョウくんが好きだよ……!」

必死に口にした言葉は涙と嗚咽に混じり
情けないくらい途切れ途切れだった。

「あたしはリョウくんを愛してるよ……!」

泣きながらそう言うあたしをリョウくんは静かに見下ろしていた。

「だからっ、リョウくんに傷ついてほしくない……。リョウくんに悲しい顔してほしくないっ」

子供みたいにしゃくりあげながら言うあたしに
リョウくんは静かに目を伏せた。

 
「……じゃあ、なにしてくれんの?」

冷笑するように小さく吐息を吐きながらあたしの耳元で低く囁いた。

「哀れな俺に同情してなぐさめてくれんの?」

リョウくんに向かって愛してるというあたしを試すように
あたしの髪に長い指を差し入れ乱暴に髪を乱した。

寒さと緊張で微かに震えるあたしの身体に
リョウくんはバカにしたように喉をならして低く笑った。


「リョウくんが、そうしたいなら……」


彼から目をそらさずにそう言ったあたしに
リョウくんの顔が微かに歪んだ。