あたしの声が好きな人に似てるといったリョウくん。
あたしの声を聞くと落ち着くと笑った先生。



そうか、あの人……



頭の中で彼女と先生とリョウくんがつながった時
大きな地下鉄の車体がリョウくんと彼女の間を遮るようにホームに入って来た。

向かいのホームでたくさんの人が歩き出すのがわかった。

ゆっくりと扉が閉まり地下鉄の車輛が動き出す。


ガタン、カタン……


規則正しい音をたてながら地下鉄が走り去った後
ガランとした向かいのホームには
誰もいなかった。