「嘘でしょ、あれって日野くん?」



「え、かっこいい!」



周りからは、そう言って叫ぶ女子達の声。




私、たった今、日野くんが運動できることを知りました。



ずっと無気力だった日野くん。



本気を出すと、こんなに……こんなにかっこいいんだ。




思わず見とれていると。



「……見すぎ」



いつもはほとんど無表情な日野くんが、私の方を見て笑ったんです!




────ドキ、ドキ、ドキ。



心臓が、また速く動き出す。



掴まれたような感覚になるなんて、今日が初めて。