「……ちょっと、いつもは呆れるくらいポジティブなくせに、暗くならないでくれる?」



どこからか、トゲのある声が聞こえてきた。




あれ?今私、何してたっけ?



えっと、ここは……教室?



気づかない間に、1人で教室にいたなんて。




「前にも言ったわよね?素直になりなさい、って」



愛莉ちゃんの口調は、決して優しくはない。



でも、確かに私の心配をしてくれたり、背中を押してくれたりするんだ。




素直……って、そういうことだったんだね。



日野くんのことを好きって気持ち、本当はずっと前から……。