◇◆◇ 「あのっ、日野くん!」 今、俺は七草さんに話しかけられている。 それも1週間ぶりに、だ。 夢にまで見たこの瞬間。 何度この日を待ち望んだことか。 もう話してはくれないと思ってた。 俺となんて話したくないんだと思ってた。 でも、七草さんはやっぱり俺のことをまっすぐに見てくれる。 「えっと、これ……」 「……は?何これ」 差し出された白い紙を受け取ると、思わずそんな声が出てしまった。