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「あのっ、日野くん!」



今、俺は七草さんに話しかけられている。



それも1週間ぶりに、だ。




夢にまで見たこの瞬間。



何度この日を待ち望んだことか。




もう話してはくれないと思ってた。



俺となんて話したくないんだと思ってた。



でも、七草さんはやっぱり俺のことをまっすぐに見てくれる。




「えっと、これ……」



「……は?何これ」



差し出された白い紙を受け取ると、思わずそんな声が出てしまった。