それなのに。 俺の少し前を歩くのは、間違いなく七草さんと三沢で。 ────やっちまった。 俺がウジウジしてる間に、三沢は七草さんに近づいていた。 ここまで親密そうに歩く姿を見せつけられるなんて。 もう、手遅れだ。 「ねぇ、七草さん」 聞き耳を立てれば、三沢の声が聞こえた。 盗み聞きなんていいことじゃないけど、許してくれ。