休みの日。
悠琉と美陽は遊園地に来ていた。

「晴れて良かったね」

冷たい風が頬に当たる。
美陽は若干緊張していた。

「行こ!」

悠琉に手を引かれ遊園地の入口へ。
中には沢山の乗り物に食べ物、お土産屋さんが並んでいた。

「先に何乗る?絶叫系とか大丈夫?…美陽?」
「あ、はい!」

悠琉は話しかけても反応がない美陽の目の前に立つ。

「あまり乗り気じゃなかった?」
「いえ、そういう訳では…」
「んー…じゃあ、適当に遊ぼっか」

ジェットコースターにお化け屋敷、休憩を挟んでメリーゴーランド。
夕方、2人は観覧車に乗っていた。
いい景色も曇るほどの重たい空気。

「美陽、本当は今日来たくなかった?」

悠琉の言葉に美陽は俯いていた顔を上げる。

「そんなことありません!凄く楽しかったです」
「じゃあ、何で今日ずっと心ここに在らずなの?」
「そ、れは…!」

悠琉と目が合う。
真っ直ぐで全てを見透かしているような感じがする。
悠琉は美陽が話してくれることを待つ。
ゆっくりながら美陽は口を開いた。