2人で帰るのは久々だった。
美陽は心臓の音が悠琉に聞こえていないかドキドキしていた。

「美陽と帰るの久しぶりだな」
「そうですね」

緊張で何を話していいのか分からないでいた。

「少し時間ある?」

悠琉が美陽に聞く。

「はい、ありますけど…」
「じゃあちょっとの間、付き合って!」

悠琉は美陽の手を引いて街に向かった。
悠琉が美陽を連れて入ったのはとある雑貨屋。
お店の中に入ると悠琉は美陽と別行動に出た。
美陽はお店に並んであるものを眺めていた。

「これ、綺麗…」

美陽が手に取ったのは青のグラデーションされた丸いガラスに、ラメが光って星に見えるキーホルダー。
青の隣にはピンク色の物も並んでいた。
それに気を取られていると、後ろから肩を叩かれた。

「どうしたの?」

振り向くと買い物が終わったのか、手に小さな紙袋を持った悠琉だった。
2人はお店の外に出る。

「はい、これ」
「…?何ですか」

悠琉から渡された物を見つめる。
それは薄いピンク色の可愛いクマのストラップ。

「ん?お揃い」

悠琉はもう1つ紙袋の中から色違いの、水色のクマを取り出した。

「可愛いですね」

美陽がそう言うと、

「うん、だから美陽と付けられたらいいなって思ったんだ」

悠琉が嬉しそうに答えた。

「嬉しいです!ありがとうございます!」

美陽は頬を赤く染めて言った。

「…喜んでくれてよかった」

悠琉は小さく呟いた。
美陽はクマのストラップを嬉しそうに見つめていた。