修一郎さんと圭介と一緒にやってきたのは安堂家の弁護士と警察官二人だった。

私は弁護士の先生から話を聞いた後、警察官に事情を聞かれた。

といっても、当日パーティーで何があったかなんて話すような内容はろくにない。

私が知っていて話せるのは、すり替えられたのを知らずにジンジャーエールを飲んでしまったこと、招待客との会話が嫌でパーティー会場から抜け出して自社の運転手の車で会場を後にしたってことだけ。

土曜日のパーティーは叔父の会社のお祝いだったこともあって記念の撮影が専門スタッフによって行われていた。

そこに春日創一の母親がジンジャーエールのグラスに薬物を入れるところと私のグラスとすり替えるところも映っていたため、母親はすぐに手配され、昨日警察に捕まったという。
元林さんが連れて行ってくれた病院で私の検体が採取されていて証拠として提出されているのだという。

息子が執着した私という女を引きこもった息子に与えるため、私を眠らせてタイミングを見て誘拐するつもりだったそうだ。
そこには自分の息子の人生が私という女のせいで歪んでしまった恨みもあったのだろう。

もちろん、春日の母親のしたことは許されることではない。

恐怖と共にため息が出る。