お見合いさせられました!

「ちゃんとした格好で良かったわ~」

母は盛大に胸を撫で下ろしている。
そんなに心配しなくても。
私だって28歳だよ。
マナーくらいわかってるつもり。


「奏美、その紙袋はなんだ?」

父が紙袋を指差す。

今の私の格好は、ワンピースにパンプス、パーティーバッグ、そして紙袋を手に持っている。
スーパーの紙袋じゃなくて、一応ハイブランドの紙袋を選んで持ってきたんだけど、ちょっと邪魔かな。


「着替えが入ってるから、ランチ食べるところで預かってもらうよ。ランチ楽しみだね~。朝ご飯軽かったから、お腹ペコペコ。いっぱい食べなくっちゃ!」

私は両手でガッツポーズをしてみせる。
さっきからテンション上がりまくり。
早くランチ食べたくて、足元がふわふわ浮わついちゃってる。


「そうね。行きましょうか」

そんな私に母は苦笑いを浮かべている。
父もどこか明後日のほうを見ている。

年甲斐もなく浮かれてる私に、ちょっと呆れてるのかな。
でも高級なランチがタダで食べれるなんて、夢のようじゃない?

両親の後ろをついて歩きながら、私の顔はニヤニヤしっぱなし。


3人でエレベーターに乗り込む。
その間、両親は無言のまま。
ちょっと緊張してるのかな。

私は緊張よりもワクワクな気分!
どんな料理が運ばれてくるんだろう。
親友の愛ちゃんとホテルのバイキングに行って以来、しかも今日はどうやらバイキングではなさそう。