影「食事の準備が出来ております。」


影千代が持ってくるご飯は立派な朝食であるが



『朝はいらぬと何度申せば伝わるのだ…』


と藍は席を立った。



影「なりませぬ。
昭光(ショウコウ)様より、特に朝食はきちんと摂取させるよう申し使っておりますゆえ…。」




『祖父様…わかりました。』


藍は静かに席に座り影千代が並べた食事を見ながら乗り気ではないものの、この上社家 現当主である祖父の昭光の言葉は絶対である。


影「今日は会合ではありますが、夕刻5時過ぎよりと承っております。それまではいつも通り学校へ行くように、と昭光様より命を受けております。」


はぁ……
と大きなため息を漏らして『わかりました。』と小さく頷いた。