タイムリープ

「梢、俺たちのために嘘ついてくれていたんだってな」

優太が、優しい声で言った。

「全部、神様から聞いたよ。私たちのために、うそついてくれていたんだね」

優太に続いて、詩織も笑顔で言った。

二人の笑顔を見ると、もう私に怒ってる様子はなかった。

「優太、詩織………」

私は、涙混じりの声で二人の名前を口にした。

「辛かっただろ」

私の方までゆっくり歩いて、優太は優しい声で言った。

優太の優しい声も優しい笑顔も、なつかし。

「………」

首を左右に振って、私はただ瞳から涙を流した。

「ごめんな、梢。お前のこと、疑ったりして」

そう言って優太は、私を優しく抱きしめた。

服越しでも伝わる優太のやわらかな肌を感じ、私の頬がかすかに熱くなった。

「優太、謝るのは私の方だよ。私のせいで、優太と詩織が死んだんだよ!」

私は優太の体を軽く押して、泣きながら叫んだ。

私が生きたせいで、優太と詩織が死ぬことになった。そう思うと、私は優太を好きになる資格はなかった。