タイムリープ

「そのニュースが、どうしたの?」

私は、首をかしげて彼女に訊いた。

「その乗用車にはねられた二人が、優太君と詩織さんなの」

「え!」

涙声で言った彼女の衝撃的な言葉を聞いて、私の頭の中が真っ白になった。

寒くもないのに歯がガタガタと震えだし、私の顔が青白くなる。

「嘘………でしょ」

私は、震えた声でそう言った。

「………」

彼女は首を左右に振って、なにも言わなかった。

「嘘よ、そんなこと!」

私はイスから立ち上がって、彼女の肩に手を置いた。

「………」

彼女はなにも言わず、しくしく泣いている。

彼女の瞳から流れる涙を見て、今朝のニュースが私の脳裏によぎった。

「嘘よ、そんなこと………」

彼女から手を離した私は、すぐにスマートフォンを取り出してネットニュースを見た。

【乗用車が歩道を乗り上げ、歩道を歩いていた大学生山田優太さんと、田村詩織さんが全身を強く打って死亡した】