その間に俺も持って来てたスーツに着替えてネクタイを結びラウンジで和葉の準備が整うのを待つ。


「涼くん、お待たせ!」


そう弾む和葉の声が聞こえて振り返って思わず息を呑んだ



「随分と綺麗になったな。すっかり大人の女性だな。」

そう声を掛け、立ち上がり和葉の手を取りエレベーターへ。


25階にあるフレンチのお店を予約していた。


窓際の夜景の綺麗な席でゆっくりディナーを楽しんで、デザートに小さめのホールケーキを出してもらう。


「和葉、卒業おめでとう。それで、あとこれ。返品不可だが受け取ってくれるか?」


そう言って赤いベルベットの小箱の蓋を開けて見せる。


「涼くん、これっ!!」


驚いた顔のあとすっごく嬉しいって顔をした和葉に


「結婚しよう。」



俺も柔らかく微笑んで伝える。



「はい、末永くよろしくお願いします。」


その答えを聞いて、俺は席を立ち和葉の横に行く。


和葉の左手を取りその薬指に輝く指輪を付けた。


「あぁ、末永くよろしく頼むよ。奥さん。」



言うやいなや、頬にキスをすると驚きながら

「もー、ここはお店の中だよ!」


唇を尖らせ頬を膨らませる和葉


そんな所は歳相応で愛らしい。

愛しい君の隣で長く時を共に歩む約束が出来たことに胸をなでおろす。


2人で見つめあって微笑んだ。


「末永くよろしくお願いします、旦那さま!」



俺たちの未来はこれでナイショから公になった。