「ほんとはね、駅の向こう側のイタリアンのカフェでランチしようと思ってたんだ。 だけど、新しくできたタワービルにこのお店が入ったって急に思い出したから、気が変わってこっちに来たんだよ」 美咲の言葉に、おれの身体(からだ)に電流が走った。 すっかり忘れていたが、おれは「運命の人に会うために」ここへ導かれたのだった。