急に場面が変わる。 石牢に女がひとり閉じ込められている。 「ごめんね、助けてあげられなくて」と、石牢の外側で泣いている別の女。 蜂の大群の映像。 夏の炎天下、砂漠を歩いている女。 海の中に潜っている女。 場面はめまぐるしく変わっていく。 また、石畳に戻る。それから、石牢へ。 「大丈夫ですか」という先生の声で目を開けると、姫は自分が泣いていたことに気づき、驚く。 「先生」 ベッドの左側に立った先生が、心配そうに姫を見下ろしていた。