愛里と一緒にいたくて、私は同じ高校を受験した。


もともと頭もよくてしっかりものの彼女と同じ高校を受験するのは、正直かなり大変で……


お父さんやお母さんにも美羽には無理だって何度も反対される始末。


それを必死に説得して、ようやく愛里と同じ塾に行かせてもらえるようになったときには本当に嬉しくて、きっと人生で一番ってくらいにすっごく頑張ったんじゃないかな?


その甲斐あって、なんとか今年の4月から、愛里と同じこの高校に通えてる。


おまけに同じクラス、隣の席。


担任は少しポッチャリ系の優しそうでお父さんみたいな地理の先生だ。


愛里のおかげで、他のクラスメイトとも少しだけ話せるようになった。


さすがに男子とは、まだ口もきいてないけれど。


男子は乱暴なイメージがあって苦手だったから、中学の頃もほとんど話をしたことがない。


だから当然、付き合ったりしたこともないし、愛里みたいにいろんな経験をしたことも、ない。


それでも恋にはすごく憧れを持ってて、少女マンガみたいな恋がしたいって、本気で思ってた。


いつも愛里にはバカにされてるけど、私はまだ恋に恋してる女子高生だった。