細心の注意を払って昇降口のはしっこの方でLINEを開くと、登録してある4人以外からのものが届いていた。



――だれだろう?他に教えた人いたっけ?



首をかしげながらそのアイコンをタップする。


するとそれは夏祭りで一緒になった、陸上部で同じクラスの羽生くんからだった。




『同じクラスの羽生です。急にごめん。須藤からID聞いたんだ。孝弘ともLINEしてるって聞いたから、俺のも登録してくれるとうれしいんだけど……』



――え?羽生くん?



いつもいろいろ話しかけてくれる羽生くんは、夏祭りのときも思ったけど、人見知りとかしなさそうな私とは真逆のタイプ。


明るくて元気がよくて、いつもたくさんの友達に囲まれてるイメージだ。



――ていうか、なんで勝手に教えちゃうかなぁ……



しかも、三浦くんとLINEしてることは、最近になって愛里にだけ教えた内緒の話だったのに。


スマホをにぎりしめて、返信しようかどうか迷う。


でも、これも三浦くんが言ってたみたいな、みんなと仲良くなれるチャンスなのかな?とも思った。