そうじゃなくって!
 呼び方とかじゃなくって!

 だって彼女のことは?
 相手はどうであれ、忘れられないほど大切なんでしょ?

 話したいって……いつもよりは話してる気もするけど全然言葉が足りない。

 のんちゃんは相変わらずのマイペースで言いたいことを話している。
 それを聞くしかないんだ。

 だって……惚れた弱みだもん。

「バスケやりたくなかった。
 でもやらないとつらかった。」

「……うん。」

「バスケできてた頃を思い出すと吐き気がして…。」

 それで…。
 じゃ彼女のことを思い出して気を失ってたわけじゃなかったんだ。

「チビ、馬鹿だと思うけど…。」

 何?結局からかわれてるだけ?

 ため息をつきそうになったところに続きを言われた。

「死ぬのかなって思ったらチビの顔が浮かんだ。」

 何…それ………。
 もうそれで十分だよ。