数日をかけシュバルツ王国に到着したリーナは謁見の間へと案内された

そこにはシュバルツ国王と王子の2人がリーナを到着を待っていた

「初めまして、私はワイマール王国第二王女、リーナ・ワイマールと申します。この度は偉大なるシュバルツ王国にご招待頂きありがとうございます」
リーナが深々と挨拶をすると

「リーナ姫、長旅ご苦労であった、どうか面をあげられよ」
シュバルツ国王がそう応えると、隣にいた王子がリーナへと歩みを進める

「リーナ姫、お待ちしておりました。私はシュバルツ王国第一王子ヘルトです。お噂通りお美しい方だ」ヘルト王子は膝をつき、そっとリーナの手に口付ける

王子は輝く金の髪に、黄金の瞳、そして甘いマスク持ち合わせ、
物腰の柔らかな口調からはヘルト王子が優しい方だと会ったばかりのリーナにも分かる
リーナの目の前にいるヘルト王子は、物語に出てくる王子そのものであった
政略結婚の道具だと言われてきた私がこんな素敵な方と結婚できるなんて、、、
こんな私の人生の中で希望が見えるなんて、、、
ううん、でも、きっと本当は私、この方に相応しくない偽物の姫なんだわ、、、

リーナの胸がズキンと痛んだ



そんなことを思っていると、後ろから

、、、ガチャ

ドアが開く音がし、足音が聞こえてくる
コツコツコツ、、、
リーナの横で足音が止まると、人影がリーナの顎を奪い、目があった

「ヘルト王子が2人、、、?」
そこには目の前にいたはずのヘルト王子と同じ顔の人物がたっていた

しかし、よく見ると髪は少し長く漆黒で、甘いマスクのヘルト王子に比べるとクールな顔つきだった
「噂通りの白鳥の姫だな。悲しそうな眼をしてる」
、、、トクン、、、
私、、、
悲しそうな眼、、、
今まで儚げだとは言われてきた、、、
この方、本当の私を見ていらっしゃる、、、

「アルト、リーナ姫に失礼だぞ、ちゃんと挨拶しなよ?」ヘルト王子がそう言うと、
「シュバルツ王国第二王子アルトだ。」と素っ気なく挨拶した
「僕とアルトは双子なんだ、似てるでしょう?」
「ええ、髪色が違っていてもお二人そっくりでしたので、少しビックリしてしまいました」
「フッ、ビックリか。今からきっともっとビックリするぞ、、、」
アルト王子が何やら不敵な笑みでそういうと、また後ろから足音が聞こえてきた

しかし足取りは重い様で、すぐに歩みが止まり
代わりに男性の声が聞こえてきた

「、、、リ、、、リーナ‼︎」


それは、どこか聞き覚えのある
優しく、愛の溢れる
リーナの大好きな声だった、、、

言葉より先に涙が頬を伝い、

振り絞る様な声でリーナが言った、

「ぉ、、、ぉ、と、、ぅ、、さま、、、」

そんな

そんな、、、

居るわけない

お父様が此処に、、、