「ただいまぁ~~~~!」


「あっ愛音!ちょっと話があるんだけど、いい?」


家に帰ってきてすぐ部屋に入ろうとするあたしを、お母さんが呼び止

めた。


何の話なんだろう…?


不思議に思いながらもリビングのいすに向かい合わせで座ると、お母

さんは唐突にこう言った。


「愛音。お母さんね、出張で1ヶ月ぐらい家を留守にするの。」


「ふーん…ってぇぇぇぇえええええええ~~~!!!!!!!!」


意味不明!バカなの、アホなの?あたしに一人暮らしさせるの?家に

置き去りにするつもり?



ん?でも待てよ。1人=何でもできる。

何でもできる=…自由を手に入れられる!素晴らしいじゃないか!


「うん!わかった!1人で留守番できるから、行ってきていー…」


「だいじょーぶよ愛音!」


お母さんのやけにテンションの高い声があたしの言葉をさ

えぎった。


「1人になる心配はないわ!お母さんの知り合いの桐谷さんとこの息
子さんに一緒に住んでもらうから!愛音と同い年よ!」


「はああああああああぁぁぁぁぁぁ???????!!!!!」