「はぁっ…はぁっ…」



息を切らしながら教室に滑り込んだあたしたち。

時計を見てみると、授業開始の2分前だった。

……ギリギリセーフ。疲れたぁ~



と、その時。



「ハハッ、昨日は簡単な数学の公式ど忘れして、今日はギリギリ遅刻
逃れるとか、マジ面白れぇ~」


大嫌いな声が聞こえてきた。

声のした方を振り返ると、ニヤニヤしているハルと目が合った。


続けて、


「おぉ~やってくれますねぇ藤澤~♪」


「相手にしたくねぇわこんなアホ」


「なんかいつもやらかすんだよね、だいじょーぶかな。このトロさ
どーにかなんないのかなぁ。超心配!」


ナル、ホシ、ヒジリの声も聞こえた。



ム・カ・つ・く~~~!!!!


「ハル、ナル、ホシ、ヒジリ、黙れぇ~~~!!!!!!!!」

あたしは思いっきり怒鳴った。