八月六日は吉水貴司の誕生日である。 わたしはこの日のためにケーキも買ったし、プレゼントだって用意した。 時計が好きな彼のために、お金節約してやっとこさ某有名メーカーの高級品をゲットしたし、当日はわたしの部屋に来るはずだったから、前の日に掃除もして料理の材料だって買い込んだ。 万全の準備で挑んだはずだったのだ。 なのに。なんで――。