「……えっ?」 「あ……っ」 渡り廊下の曲がり角。 咄嗟に止まろうとしたけれど遅かった。 勢い余ったあたしの身体は、そのままドンッと何かにぶつかってしまったんだ。 「……った」 よろけて倒れそうになるあたし。 だけど、なんとか尻もちをつかずにすんだ。 「大丈夫か?」 そうやって、ぶつかった誰かが──怜佑が、支えてくれたから。 「怜佑……」 ……やっと会えたぁ。 間違いなんかじゃない。 どうしても会いたかった人が、たしかに目の前にいる。 そう思ったら全身の力が一気に抜けるのがわかった。