自然と手を縮こませたあたしの体は、優悟の胸にすっぽり埋まる。 何も出来ないあたしの肩に優悟の頭がポスンと乗って、金色の髪が頬を掠めた。 「優悟、ありがとう」 …好きになってくれて。 “ごめんね”は言わないから、せめて“ありがと”くらいは言わせてね。 あたしが優悟の頭を撫でると、彼はその顔を上げて、 「あいつに泣かされたら、いつでも俺んとこにおいで」 優しくて、切なくて、だけど力強い瞳であたしを捕らえた。