「どうして?」 敢えてその事を言わなかったあたしに、優悟はほんの少し言葉を詰まらせる。 「…何でもない」 だけど、本当に何でもないように笑って答えてしまった優悟に、何だか悲しかった。 あたしはどうして大事な人に、こんな顔をさせちゃうんだろうって。 優悟の自慢の金髪が、窓から吹き込んだ冷たい風に揺れ… 思わず背伸びして、髪に触れたあたしの体は、 「きゃ…」 もう一度、優悟に正面から抱きしめられた。