重なる呼吸音が、静かな廊下に響き、 「……行くな」 それと混じるようにポツリと呟いた優悟の言葉が、あたしを大きく動揺させた。 バクバクと鳴り響く心臓が、うるさくてどうしようもない。 言葉の意味は理解できても、それに対して頭が働かない。体が動かない。 そっと肩に回された優悟の手に触れると、ボロッと落ちるように涙が零れた。 「…行くなよ……」 「…っ……」 震える優悟の腕から、痛いくらいに気持ちが伝わって、胸が張り裂けてしまいそう。