中庭を眺めながら、すっかり葉の散ってしまった木に目が止まる。 「俺、いつまでも待つよ?」 横から聞こえた優悟の優しい言葉に、胸が痛む。 それはあたしが、優悟に返事をしないからだって考えなくても分かった。 そしてあたしが返事を出来ないでいるのも、優悟はちゃんとわかってくれていた。 「でも、ちゃんと俺を見て?」 「うんっ…」 優悟の笑顔はどこか寂しそうで、彼をこんな表情にさせてしまったあたしは、バカだと思った。