そうだ、あたしもう蓮のパシリじゃないんだ。 ご飯を作ることも無ければ、蓮の部屋を掃除する事もない。 でも、かといって蓮の彼女でもない。 …もう蓮が、部屋にご飯を食べに来る事はないんだ。 クローゼットにブレザーをなおしながら、胸につっかえたような気分を感じていたあたしは、それを圧し払うように首を横に振った。 「なぁんだ、やっと蓮のパシリから解放されるんじゃんあたし!」 やけに大きい独り言は、静かな部屋に吸い込まれていく。