ブレザーを着たままの自分を見ると、どうやらあのまま寝てしまったらしい。 少しシワのできてしまったブレザーをハンガーにかけながら、ふっと頭に浮かんだ事。 …そういえば、蓮がいない。 普通こんな事思うのはおかしいけれど、蓮は例えあたしが眠ってようが7時30分には部屋に来て、毎晩ご飯を食べていく。 日課になってしまったそれが、今日は行われていない。 蓮が部屋にいない。 …それが何を指すのか、鈍感なあたしでさえもすぐに分かってしまった。