俺様野郎とパシリなあたし







突然絡み合った視線に、胸がドクンッと激しく音を立てる。


短く発した、言葉にならない声が行き場を無くして、


「……っ…!」


無理!…そう思った頃には、おもいっきり視線を逸らしてしまっていた。


それも、視線だけじゃない。


顔ごと体も横に向けて、あからさまだといった感じに。


そんなあたしに、背後からの視線が突き刺さる。


きっとそれは蓮の物で、余計に振り返る事のできなくなったあたしは、通常の半分しか働かない脳でこれからの事を考えていた。