憎たらしく舌を出しているあたしに、蓮の「何だよ」って表情が見える。 …その時だ。 ガタッと電車が大きく揺れて、履いていたヒールがカクッと傾いた。 「きゃ…」 短く出した声に、目の前の蓮が傾いて行く。 思わず目をつぶって、こけると悟った。 ……だけど、あたしの体の傾きはすぐに止まって、 「相変わらず鈍臭せぇな」 バカにしたように鼻で笑うと、あたしの肩を優しく支えた。