ホームに電車が発車する音が鳴り響く。 「もう行かないと…」 先に乗り込んでいた蓮の方へと視線を向けて、足を進めようとしたあたしの耳に、 「明菜」 お母さんの優しい声が届く。 一瞬足を止めたあたしに近づいて、そっと耳打ちしたお母さんに「え?」と、思わず困惑の声を漏らしてしまった。