だけど、張本人はあたしが睨んでもヘラヘラ笑ってて、何だか反対に気が抜ける。 「もう、本当に行くからね」 そろそろ行かないと、本格的に遅刻だ。 そう思って、ハンドルを握ったのに、 「塾なんていつでも行けるだろ。それより、父さんのワガママに付き合う気ないか?」 「…え?」 「夜の道、一人だと寂しいからな!」 ニコッと歯を見せたお父さんに、あたしは完全に気が抜けて。 ハンドルを離したあたしは、すでに開けられていたドアから助手席へと乗り込んだ。