無言で俯いたあたしに、蓮の優しい声が届く。 「俺は、家に帰りたくないのかと思った」 こんな時、どうしてなのか優しくなる、蓮はそういう奴。 けど…蓮の言った事は、少しだけ違った。 あたしは… 「帰りたくないんじゃない。………帰れないんだ」 帰っちゃいけないんだ。 あの家に、あたしが帰る場所なんてない。 …あの家にはもう、帰れない。