どうして、必ずある未来を奪ってしまうの? 分からなかった。 考えて、答えの出るような問題じゃなかった。 「生きたくても、死んでしまった人がいるのに…自分で死を選ぶなんて、許せなかった」 ぎゅっと握った拳の上に、ポタリと雫が落ちた。 その様子を見て、蓮が無言であたしの頭を撫でたのが分かった。 そして、あたしは顔を上げ… 「あたしのお父さんね、死んじゃったんだ…」 そう付け足した。 蓮の撫でる手が、ピクリと震え、止まった。