手を掴まれて、グイッと引っ張られる。 「あっ……」 あまりにも強く引っ張るものだから、勢い余って蓮の胸へと飛び込んでしまった。 ――…ドキン 小さく心臓が鳴って、慌てて離れる。 「何だよ明菜、早いな?まだ5時半だぞ?」 薄暗い部屋に響く、蓮の少し低い声。 「れ、蓮こそ…」 目線を合わさずそう言うと、蓮があたしの横を通りすぎた。