蓮の足音が、すぐ側で聞こえて、あたしは手に力を入れた。 大丈夫、大丈夫… ただ、フリだけなんだから。 あたしは、ただこうやって死んでるフリしてればいいんだ。 「俺のキスで起きろ、姫」 蓮の声が耳元で聞こえて、少しくすぐったい。 頬を両手で包み込まれる。 蓮の髪がおでこに触れて、甘い香水の匂いが広がる。 会場が少しザワッと沸き上がり、やっと終わるんだと感じた。