『えー皆さん、お静かに願います。でないと開幕することができないので、ご協力よろしくお願いします』 痺れを切らしたちいちゃんが、マイクで客席に呼び掛ける。 途端に静かになった客席。 さすがちいちゃんだ。 「よし、そろそろ開幕だな!」 トモが緊張した様子で言うもんだから、少し笑ってしまった。 「明菜、俺の足ひっぱんじゃねえぞ」 「なっ!蓮こそ、しっかりやってよねぇ〜」 偉そうな蓮に、意地張って言ったあたし。 だけど……