「返せっ!」 ぴょんぴょん跳びはねてはみるけれど、到底届くはずがない。 そんなあたしを、蓮は腹を抱えて笑ってる。 「あんた、全部台詞覚えたんでしょ?」 「あぁ、俺天才だし」 ……って、そこまでハッキリ言い切れる蓮が、凄いと思う。 「だったら台本貸してよ!」 「だーめ。俺んだし」 「あたしの!」 「俺の!」 暫く対決していたけれど、段々と怒りが募ってくる。