「とうとう明日だねー学園祭」


昼休み、メロンパンをかじりながら、ちいちゃんが言った。


学校の門までもが、華やかに飾られて。


今、学校は明日行われる学園祭一色に染まっていた。


「………」


だけど、ちいちゃんの言葉に、あたしは明るく返せない。


それもそうだ。


あたしは今、明日クラスでやる劇の台本を握りしめ、冷や汗を流していたからだ。