「わ、私は知らんぞ!鞄が当たっただけだ!」 ……嘘つけ、バーカ。 苦しすぎる言い訳に、あたしはオヤジの手首に爪を立てた。 「どこに鞄なんか持ってんの?あんた手ぶらじゃんか」 「え!?……あ…」 オヤジが自分を見て口をパックリと開けた途端。 調度いいところでドアが開いた。 「オヤジ、一緒にこの駅で降りてもらうよ」 あたしはグイッとオヤジの手を引くと、無理矢理電車から降ろした。